大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1144 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人安藤信一郎の上告理由第一について。

所論原判示を原判決引用の一審の検証の結果と対照すると、「D病院の建物の前

を略南北に走る幅員約六尺の道路の東側にあり、更にその東側に南北に流れる溝が

ある」との原判示は「D病院の建物の前を略南北に走る幅員約六尺の道路の西側に

あり、更にその西側に南北に流れる溝がある」と判示すべきを前記の如く誤記した

ものであることが明白である。されば、かかる単なる誤記は上告適法の理由となら

ないから所論は採用できない。

同第二について。

本件記録によれば、所論甲三号証と乙一、二号証は同一文書であることが窺われ

るので、原判決において所論の判示をなしたことは、同一内容の証拠を異なるもの

と誤認したものと認めざるをえない。しかし、民訴三九五条一項六号にいわゆる判

決理由に齟齬あるときは、重要な事項について理由にくいちがいがある場合を指称

するもので、単なる証拠の取捨についての理由の不十分、不明瞭はこれに属しない

ものと解すべきであるから、原判決における右瑕疵は民訴三九五条一項六号にいわ

ゆる判決理由に齟齬あるときに当らない。また、所論乙一、二号証が原判決におけ

る認定資料に加えられても、これは甲一号証と同一の文書である故、これがために

原判決の結論に異動を及ぼすものでないから、原判決における右記瑕疵は判決に影

響を及ぼさないものというべく、いずれの点からも論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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